フードデリバリーの市場は、2020年時点で6,264億円にも上ります。
コロナ禍の巣ごもり需要の際にUberEatsや出前館をはじめとした宅配サービスが注目され、前年の市場規模4,183億円から約50%の伸びを見せました。
これほど飛躍的に伸びている市場は、ほかに類を見ません。
そして、デリバリー市場の成長に並行して注目が高まっているのが、ゴーストレストラン市場の拡大です。
ゴーストレストランとは、1つのキッチンで複数のブランドを手がけるデリバリー専門の飲食店業態を指します。
DeliStationは、デリバリー専門の飲食ブランドとして2019年に創業しました。創業からわずかな期間で店舗数は70店舗にまで拡大しています。
現在飲食店をされている方のなかには、デリバリー専門業態をアドオンして売上の拡大を図っている方も少なくないのではないでしょうか?
この記事では、以下の点をまとめています。
- DeliStationの概要
- DeliStationの強み・弱み
- DeliStationの評判
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Deli Station の基本情報
店舗名 | Deli Station |
運営会社 | 合同会社Wiaas |
店舗数 | 直営5店舗・FC加盟店100店舗以上(併設型約9割・ゴーストレストラン約1割) |
創業 | 2019年6月 |
設立 | 2020年1月 |
資本金 | 5,000,000円 |
本社 | 〒180-0014東京都武蔵野市関前5丁目6-21 |
DeliStationを運営している合同会社Wiaasの概要を紹介します。
合同会社Wiaasとは?
合同会社Wiaasは、東京都武蔵野市に拠点を置く、ゴーストレストランの運営本部です。
合同会社Wiaasの運営者である盛永氏は飲食出身ではなく、マーケティングやITを専門にされていました。
ゴーストレストランは、タイ人の料理人と共同ではじめたレストランの経営難の打開策としてスタートしたデジバリーサービスが土台となっています。
デリバリーサービスが地域でNo.2の人気店となったことをきっかけに、他のジャンルの料理人や農家の方々と提携をしてメニューを開発し、マーケティングデータを活用しながら事業を拡大していったという経緯があります。
ブランド数2021年11月時点で42となり、地域のニーズや人気などにあわせてブランドを入れ替えながら人気の高いサービスを常に提供できる体制です。
5店舗ある直営店のなかには、400万円を超える売上を出す店舗もあるほどです。
その後、店舗数を順調に拡大し、2022年1月の段階では70の店舗を展開する飲食デリバリーとして人気を集めています。
Deli Station フランチャイズの特徴や強み
飲食店を経営者の方にとって、DeliStationのフランチャイズの仕組みやブランド力の秘密は気になるポイントなのではないでしょうか?
あるいは、1人でオペレーション可能な飲食のスタイルとしてDeliStationの仕組みを有効活用したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
この章では、DeliStationフランチャイズの特徴を解説します。
豊富な業態ラインナップ
DeliStationに加盟すると、42のブランドの中から提供するブランドを選択できます。
具体的には、タイ料理・中華料理・ベトナム料理などの多国籍な料理や、サラダ専門・低カロリー食などの目的食などです。
ラインナップが豊富であるということのメリットは、顧客の選択肢が広がるというだけではありません。具体的には、以下のメリットがあります。
- 売上の思わしくないブランドは、ほかのブランドと入れ替えてテストをしながら店舗の売上を拡大できる
- ブランドによっては、共通の食材を使用することで、原材料コストを削減できる
- 地域のニーズにあったメニューを提供できる
合同会社Wiaasは、マーケティングの考え方を最大限にいかして成長した企業ですが、店舗レベルでも同様の動き方が可能です。
多彩なプラットフォーム
DeliStationは、UberEatsや出前館などをはじめとして多種多様なプラットフォームに対応しています。
UberEatsや出前館などの主要プラットフォーム以外にも合計約10のプラットフォームに標準対応しており、標準対応していないプラットフォームに関しても相談可能です。
したがって、大手プラットフォームが対応していないエリアでもサービスを展開できる可能性があります。
さらに、DeliStationでは単にプラットフォームに対応しているだけではなく、プラットフォームを登録・運用するための端末貸し出しサービスや情報登録サポートなどのサービスにも対応しています。
食品のデリバリー未経験の方や不慣れな方でも、抵抗なく運用開始できるサービスです。
マーケティング力
ゴーストレストランのなかには、取り扱いのブランドを増やすことを目的化しているように見える運営者もいますが、DeliStationはマーケティングに基づいてブランドを選定しています。
その戦略とは、独自の調査方法に基づいてジャンル別や目的別にニーズと現在の店舗数を割り出し、需要が供給を上回っているカテゴリーの出店を目指すというものです。
また、直営店5店舗にて複数のブランドを取り扱っており、テストマーケティングをおこないながらブランドの反響を図っています。
100万円以上を売り上げるブランドを8つもつブランドへと成長したのは、地道なマーケティング戦略の積み重ねによるものといってもよいでしょう。
最先端のマーケティングに基づいた計画を練っているものの決して押しつけがましさがないため、加盟店側にとってはリスク・負担の小さいフランチャイズです。
高い利益率
DeliStationの資料によると、既存のレストラン併設型の場合には約30%・専業のゴーストレストランの場合には15~20%の利益率があります。
一般的に飲食ビジネスの利益率は10%前後であることが多いため、利益率の高さは一目瞭然です。
レストラン併設型においては新たな設備投資が不要であること、ゴーストレストランでは小さなスペースで1人オペレーションが可能であることなどのメリットが、数字となって現れています。
さらに、DeliStationに関して特筆すべきポイントは原材料比率の安さです。
DeliStationでは、原材料比率が15~25%と安く抑えられています。
一般的に飲食店の目安30%を大きく下回っていることが、利益率の高さに直結しています。
Deli Station フランチャイズの弱みはあるのか?
DeliStationフランチャイズは飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しているブランドです。
大きなリスクも見当たらないため、加盟する側にとってはノーリスクのように感じられるかもしれません。
しかしながら、DeliStationフランチャイズにも弱みとなり得る部分はあります。
この章では、DeliStationの弱みを解説します。
本部のオーナーが飲食出身者ではない
合同会社Wiaasの代表は、飲食未経験者です。
メニュー開発やオペレーションなどは、協力者である料理人の力が多分に必要と言うことになります。
フランチャイズオーナーの側からは、どのような協力者がどのように技術提供をしているのかは見えない部分であるため、将来的な商品開発やブランドの構築などに関してはやや不安材料であるといえるかもしれません。
特に、DeliStationは他社よりも低い原価率(15~25%)で商品を開発しているので、その技術や開発力の根拠が明確で無いことに対して不安を感じる方もいるのではないでしょうか?
競合他社が生まれる可能性がある
飲食のデリバリー市場は、2020年以降急拡大しています。
だからこそ、将来はより競争が厳しくなる可能性があります。
大手企業やブランド力の高い一流レストランがデリバリーの市場に参入してきた場合には、従来のメニュー構成やマーケティング戦略では勝てないケースも増えてくるかもしれません。
基本的には市場が拡大するのはDeliStationにとって望ましいことではあるものの、素直に喜べる状況になるか否かが不透明です。
消費者心理が変化する可能性がある
2020年は、確かにコロナ禍の影響によりデリバリーの市場が1.5倍に成長しました。
UberEatsや出前館などはテレビCMが放映されており、認知度もますます高まっています。
合同会社Wiaasの資料によると、アメリカのデリバリー市場が飲食市場のうち約11%あるため、日本でもまだ成長の余地が大きい(日本では約3%)とありますが、アフターコロナの状況下で成長が続くか田舎は慎重に見極める必要があります。
2019~2022年の市場規模にて飛躍的なDeliStationが飛躍的な成長を続けているため、爆発的な市場の拡大が求められているわけではありません。
しかし、仮に市場規模が縮小した場合には状況が変化する可能性があります。
- コロナ禍が長期化して同じブランドにデリバリーを何度も依頼する
- 緊急事態宣言や時短営業などが解除され、飲食店の食事が取りやすくなる
- デリバリーのプラットフォームへの手数料が割高だと感じられる
- 出来たてのものを食べたい
上記のような心理から、「飲食のデリバリーは飽きた」「デリバリーよりも飲食店で食べたい」「スーパーやコンビニで購入した方がコスパがいい」と思う消費者が増える可能性は否定できません。
DeliStationは、ほかのゴーストレストランブランドとは異なり毎月のようにブランド開発を繰り返し、常にニーズのあるブランドを投入できる体制は整えています。
それでも、フードデリバリー自体の市場が停滞すると、対策は厳しくなるでしょう。
配達のプラットフォームに依存せざるを得ない
デリバリー専門で事業をおこなう場合には必ずついて回る問題ですが、DeliStationのサービスはUberEatsや出前館などのプラットフォームに依存したモデルです。
配達プラットフォームの依存に関して、特に深刻な事態に陥りかねないのがゴーストレストランとして事業を開始するケースです。
ゴーストレストランの場合には、ほかに収入を得る手段がないため、デリバリー事業の収益性が悪化すると大打撃を免れられません。
DeliStationの契約期間は1年間と短いものの、テナントの契約などもあるため状況が悪化したときにすぐにやめられないことも考えられます。
手軽さが魅力のDeliStationではありますが、ゴーストレストランとして開業する場合には慎重な判断が要求されます。
Deli Station フランチャイズユーザーの評判・クチコミ
DeliStationの一般消費者からの口コミを確認してみましょう。
DeliStationのなかでも最も人気のあるブランドの1つである「タイ料理ヒウマイ」は、エスニック料理を好む方からも「おいしい」と評価されています。
健康志向の強い方向けのブランドもあります。
オーダーをする方のニーズをふまえて、ダイエット向けの食べ方を提案されているのは、本部のマーケティング力といえるでしょう。
コストパフォーマンスの良さにも定評があります。
Deli Station フランチャイズの将来性
DeliStationは、市場からかなり高く評価されています。
一方で不安材料となるのは、宅配のプラットフォームに依存をしている点です。
現在はあまり潜在化していないものの、プラットフォームを使用し続ける以上は以下のトラブルが生じるリスクがあります。
- 配達の遅延や顧客に対する失礼な態度などが起こる
- 料金が割高になる
- 「出来たて」「非日常感」などが提供しづらい
さらに、プラットフォームのサービスが利用者や店舗側にとってデメリットのある内容に改訂されるリスクもあります。
現在不定期で実施されている割引サービスについてもデリバリーの需要を喚起しているため、これらの実施頻度減少も店舗側にとって打撃になるかもしれません。
既存店の併設店として実施する場合にはこれらのリスクは大きな懸念材料にはなりません。
しかし、ゴーストレストランの業態はやや不透明な材料が多いといえます。
まとめ
DeliStationは、最も成功しているデリバリー専門ブランドの1つです。
2019年に設立されたばかりであり、知名度のあるブランドとタイアップしたりすることなく100万円以上を売り上げられるブランドであるということは、商品力の高さの何よりの証拠です。
さらには、本部によるマーケティング戦略も的確であると考えられます。
DeliStationは、特にすでに飲食店を運営されている方にオススメのフランチャイズ業態です。
調理スペースと調理用の人員が整っていればすぐにでもスタートできます。
しかも、プランによっては初期費用がかかりません。
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